真夜中。徹夜で課題をしていた大学生の健太は、ふとパソコンの右下に表示されたポップアップ広告に目を奪われた。
真っ赤な背景に黒い文字で、「あなたは好きですか?」というシンプルな質問。
怪しさを感じながらも、軽い気持ちでクリックした。
新しいウィンドウが開き、同じ赤い背景に、今度は幼い女の子の声で
「あなたは、赤い部屋が好きですか?」と問いかけてきた。
少し不気味だったが、ウィンドウを閉じようとしても閉じることができない。
タスクマネージャーを開こうとした瞬間、パソコンから甲高いノイズが鳴り響き、画面全体が赤一色に染まった。
焦る健太の耳元で、小さな女の子の声が囁く。
「あなたは、赤い部屋が好きですか?」
恐怖に慄く健太の背筋に、冷たいものが触れた。
ゆっくりと振り返ると、そこには赤いワンピースを着た、顔色の悪い少女が立っていた。
彼女の目は黒く塗りつぶされたように虚ろで、不気味な笑みを浮かべている。
「好き…じゃない…」と震える声で答えると、
少女の顔色がさらに悪くなり、歪んだ笑顔がさらに広がった。
部屋の空気は重く、生臭い匂いが漂い始める。壁からは赤い液体が滲み出し、床に滴り落ちていた。
「
彼女の背後から黒い影が伸びてきて、健太の足を絡めとった。
抵抗しようにも、体はまるで鉛のように重く、動かすことができない。
少女の笑顔はさらに歪み、耳元で甲高い笑い声が響き渡る。
視界の端で、壁に描かれた無数の赤い手形が蠢いているのが見えた。
赤い液体は滝のように流れ落ち、部屋全体を血の海に変えていく。
「あなたは、赤い部屋が…好きになる…」
少女の声が響き渡ると同時に、健太の意識は闇へと沈んでいった。
翌朝、健太の部屋を訪れた友人は、壁一面に赤いペンキで塗りたくられた部屋と、
中央に置かれた一台のパソコンを見つけた。
画面には、赤い背景に黒い文字で「あなたは、赤い部屋が好きですか?」と表示されていた。
そして、その下に小さく、「はい」というボタンが追加されていた。
この都市伝説にコメントする